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菊池 輝男; 岩本 多實*
JAERI-M 92-146, 14 Pages, 1992/10
高レベル模擬廃液35wt%(酸化物換算)に対し、正燐酸を65wt%(酸化物換算)添加し、蒸発、仮焼に続いて、1100Cに2時間加熱して燐酸廃棄物ガラスを調製した。廃棄物ガラスは室温まで放冷したあと、めのう乳鉢で粉砕し、45~65メッシュのものを銀網の篭に入れ、1966年3月から1983年3月までの17年間、室温の蒸留水、水道水および海水に浸出させた。17年後、燐酸廃棄物ガラスを浸出液から取出し、浸出液については燐及びセシウムの分析をおこなって、これら3浸出液に対する浸出量を求めた。燐及びセシウムのこれら3浸出液に対する17年間の平均浸出速度は、10g/cmdayのオーダーであった。
五十嵐 寛; 加藤 功; 高橋 武士
PNC TN8410 91-274, 18 Pages, 1991/11
高レベル廃液中の準揮発性元素であるRu,TcおよびSeに対し、ガラス固化プロセスでの挙動を把握するため、トレーサを添加した模擬廃液の連続仮焼試験を行い、各元素の揮発率について800Cまでの温度依存性を評価した。さらに、Ruについては、バッチ仮焼試験を実施し、蒸発から仮焼が終了する500Cまでの各温度領域に対する揮発率を評価することにより、温度依存性をより明確にするとともに、硝酸による影響について評価した。トレーサ試験では、TcおよびSeの揮発率は、温度の上昇とともに増加するが、Ruについては、温度が高くなるほど低下する結果が得られた。また、バッチ試験では、硝酸濃度にかかわらず、仮焼時のRuの揮発量の多くは、200300Cの温度域における揮発によるもので、300C以上での揮発量は僅かであることが判った。
関 晋; 大内 康喜; 比佐 勇; 伊藤 彰彦
日本原子力学会誌, 20(12), p.887 - 896, 1978/00
被引用回数:1実大の廃棄物固化体を深度5000mの海底の水圧、温度、流速を模擬した条件でLWR模擬濃縮廃液のドラム缶づめセメント均一固化体の浸出試験を行った。その結果、次のような主要な知見が得られた。(1)アスファルトキャッピングを施した固化体については放射能の浸出は検出されず、キャッピング内部への水の浸入も認められなかった。(2)露出面を設けたBWR模擬廃液のC種高炉セメント固化体では見掛けの拡散係数はCs,Coについては各々1.610および1.210cm/day、PWR模擬廃液の普通ポルトランドセメント固化体ではCsについて1.510cm/dayであった。(3)この結果を用いて放射性核種の減衰を考慮した環境への浸出量の長期予測を試みた。
岩本 多実
Radioisotopes, 18(1), p.30 - 31, 1969/00
使用済み燃料の湿式再処理によって排出される高放射性再処理廃液を固型化する方法の1つに、おもにORNLで開発されているポット仮焼法がある。この方法は廃液を円筒状容器(ポット)に入れ外部から加熱して蒸発仮焼を行ない、廃液中に含まれる成分の酸化物を主とする固体を得る方法である。この報告では、とくに操作上の問題点を探索することに重点をおいてPurex1WW型模擬廃液の蒸発仮焼を研究し、さらに核分裂生成物の壊変熱の除去上重要な因子である仮焼生成物の熱伝導率を測定したのでこれらの結果について述べる。
岩本 多實
Radioisotopes, 17(11), p.517 - 522, 1968/00
再処理廃液の蒸発濃縮に液中燃焼法を適用する場合を想定して、プロパンと酵素の混合ガスを燃料とした液中燃焼法によりおもにPurex1WW型模擬廃液を蒸発濃縮する実験を行なった。その結果、(1)通常の蒸発法に比べて缶液温度は10~16C低く、しかも高度の濃縮が可能で減容比0.3まで濃縮できる。(2)蒸発缶は小型で簡単な構造を有し熱効率は大きい、(3)燃焼ガスからCOの吸収を行ない、かつ、バーナーの不完全燃焼を少なくすれば排出ガス量はかなり少なくできる、(4)硝酸アルミニウムを多量に含む廃液に対しては通常の蒸発によるよりも高度の濃縮が可能で蒸発終了後冷却すればただちに固型物が得られる、などが明らかにされた。